介護保険のはじまり
高齢化社会を迎え、一方では少子化により家族減少になり、個人では介護を支えきれない時代と言われました。そこで国が医療保険と同じように社会全体で介護を支えるしくみとして介護保険制度を2000年からスタートされました。
2000年(平成12年)介護保険施行
医療保険と同じように社会全体で介護を支えるしくみとして介護保険制度が始まります。
2003年(平成15年)改定
- 自立支援の観点に立った居宅介護支援(ケアマネジメント)の確立
- 自立支援を指向する在宅サービスの評価
- 施設サービスの質の向上と適正化
制度が浸透する一方で、サービスを利用する人が急増し、介護保険からの給付がふくらむ。このまま利用者が増え続ければ、国の財政を圧迫することになっていました。
2005年(平成17年)10月改定
- 居住費の(滞在費)に関連する介護報酬の見直し
- 食費に関連する介護補修の見直し
- 居住費(滞在費)及び食費に関連する運営基準等の見直し
介護保険の通所介護やショートステイを利用していた人の料金負担がいきなり増えました。
通所介護の食費・おやつ代 実費0円→600円に変更。(施設によって料金は違います)
月、実費0円→月8回利用すると4,800円かかるようになりました。
2006年(平成18年)改定
- 中重度者への支援強化
- 介護予防、リハビリテーションの推進
- 地域包括ケア、認知症ケアの確立
- サービスの質の向上
- 医療と介護の機能分担・連携の明確化
この時は、制度は大きく変わりました。
そして「予防」に重視したしくみに変わり、要介護状態も区分も5段階から7段階に細分化され、地域包括支援センターが創設。
2009年(平成21年)改定
- 介護従者の人材確保・処遇改善
- 医療との連携や認知症ケアの充実
- 効率的なサービスの提供や新たなサービス検証
実際の現場では、心身を痛めて辞めていく人、結婚し生活ができず、寿退社する世帯主がいました。
そんな介護従事者に朗報!介護職員の給与に上乗せされるようになりました。ここから介護職の人材確保のため、少しずつ上乗せができる仕組みを国が作っていきます。

介護職員の給与の上乗せ=ご利用者の負担増。
もちろん、40歳以上の介護保険料も増えています。
ケアマネジャーには、上乗せはありません。
2012年(平成24年)改定
- 在宅サービスの充実と施設の重点化
- 自立支援型サービスの強化と重点化
- 医療と介護の連携・機能分担
- 介護人材の確保とサービスの質の評価(交付金を報酬に組み込む)
2014年(平成26年)改定
- 消費税の引き上げ(8%)への対応
- 基本単位数等の引上げ・区分支給限度基準額の引上げ
利用していた人は、利用していたサービスの量にもよりますが、毎月の利用料金が何十円~何千円と増えました。
2015年(平成27年)改定
- 中重度の要介護者や認知症高齢者への対応の更なる強化
- 介護人材確保対策の推進(1.2万円相当)
- サービス評価の適正化の効率的なサービス提供体制の構築
介護保険の申請をしなくてもチェックリストで介護保険サービス利用ができるようになりました。補足:自治体によって、大きな差があります。東京は利用できましたが、佐賀県は事業所がなく、利用できませんでした。なので利用時は、お住いの介護保険の冊子をご確認ください。)
今まで収入に関係なく1割で利用できた保険→所得に応じて2割に変更。
しかもショートステイや入所している負担軽減の要件に預貯金や配偶者の所得が追加!

負担軽減が利用できるように非課税世帯の方は、65歳になったら、預貯金は、単身は500万円以下、夫婦は、1,500万円以下にしておきましょう。
2018年(平成30年)改定
- 地域包括ケアシステムの推進
- 自立支援・重度化防止に資する質の高い介護サービスの実現
- 多様な人材確保と生産性の向上
- 介護サービスの適正化・重点化を通じた制度の安定性・持続可能性の確保
介護保険の利用料が1、2割→1、2、3割になりました。
介護保険の給付のふくらみから、所得に応じた国民の負担増がでてきました。
施設サービスで介護療養型施設が廃止→介護医療院が追加。
2021年(令和3年)改定
- 感染症や災害への対応力強化
- 地域包括ケアシステムの推進
- 自立支援・重度化防止の取組の推進
- 介護人材の確保・介護現場の革新
- 制度の安定性・持続可能性の確保
ここでは、介護保険が3年に1回、改正があること。
今度は、令和6年度に変更です。
利用料やサービスの変更があります。

現場は、改正に振り回されています。
日々、うんちくたれています…。
まとめ
- 介護保険は新しい制度でワクワクして従事していますが、こんなに振り回されると思っていなかった。
- 介護保険料が上がると利用者が減ればいいのかと思うようになった。
- 利用者が減ると給料が減ることに繋がる恐れがある。
- 介護保険制度に振り回されないことが介護の仕事を続けられると思っている。

何をするにしても「今日が人生で一番若い日です。
ボチボチ頑張っていきたいですね。
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